労務未経験社労士が行く!

従業員数5名~20名程の企業様(個人事業主を含む)の労務経理支援をしています。押印とか電子申請とか、手続のピンポイントのここがわからない!!悩む!!を解決していきましょう!

法源

そもそも雇用契約とは?

そもそも雇用契約とはどういった契約でしょうか。 世の中の契約は(日本国内の場合)、まず民法上の契約となります。 ただし、当事者間で大きな優劣の差がある等特別な事情があるときはより成立要件等が厳しい特別法の規定に従います。 雇用契約も民法上の契…

【労基法の労働憲章】差別的取扱いの禁止

労基法3条により、出自や信条を理由として差別的取扱いをしてはならないと定めています。 労働基準法(均等待遇)第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 …

雇用関係が終わるとき③ 解雇理由の規制(判例法理→労契法16条)

昭和40年代の判例にて、正当な理由のない解雇は、民法1条3項 解雇権濫用法理を適用して無効とされてきました。 昭和50年には最高裁が、日本食塩製造事件において解雇権濫用法理を確立しました。 この考えは、平成15年労基法改正により18条2として明文化され…

雇用関係が終わるとき③ 解雇理由の規制(類型と制限の根拠)

解雇理由の制限には2類型があります。 制限される具体的行動は下記の通りです。 ①差別的な解雇の禁止 国勢信条など出自信念、労働組合活動参加、性別、女性の婚姻妊娠出産 ②法律上の権利行使を理由として解雇の禁止 育児介護休業の申出取得、裁量労働制の拒…

雇用関係が終わるとき② 解雇の手続き規制

雇用関係が終わる事由は4つに大別されますが、最も雇用主にかかる規制が多いのが解雇です。 解雇とは使用者が一方的に契約の解約を行うことを言います。 手続きと解雇理由の2種類の規制があります。 この頁では手続き規制について述べていきます。 ■使用者が…

雇用関係が終わるとき① 労働社側からは民法の原則通り

雇用関係が終了する事由は4つに大別されます。 ①解雇 雇用主が一方的に終了の意思表示をする ②辞職 労働者が一方的に終了の意思表示をする ③合意解約 双方の合意により解約 ④その他 契約期間満了、傷病休職期間満了、定年、当事者の消滅 この中で解雇は、民…

【就業規則】不利益変更が成立する要件

労働契約の変更において、労働者の同意が必要です。 では、1対多数である就業規則はどうなるのでしょうか。労働者すべての合意がいるのでしょうか。 この点、労働契約法で合意によるものであることが求められました。 特に内容を働く側に不利益(デメリット…

【就業規則】労働者の合意がある就業規則の変更

就業規則の法的性質にについては過去の記事でお話しました。↓↓↓ marukumaru.hatenablog.com 労働契約は一般的に長期間に渡るものです。 法改正も多いですし、実態や時勢に合わせて柔軟に変更をしていくことが求められます。 雇い側と雇われ側が1対1で結ぶ労…

【休職】契約はあるけど一時消滅されている状態

休職とは労働義務契約が成立している状態で、その義務を一時的に消滅させることです。労働者に就労させることが適切でなかったり、会社の責任で仕事ができなかったりする場合にします。 休職制度は、一般的に労働協約や就業規則で定められています。社内に休…

【働き方改革】労基・安衛 旧法と改正法で変わった点

2019年4月より働き方改革関連法案が施行されました。 対象法律は、①労働基準法 ②労働安全衛生法 です。 具体的に何が変わったのでしょうか? ■ 長時間労働の是正のために労働時間法制が厳格化されました。 長時間労働による健康へのリスクは医学的に証明され…

【ハラスメント】私法上の救済

ハラスメントと思われることが起きた時、被害者を救う方法はどのようなものがあるのでしょうか。 ①ハラスメント加害者への責任追及 侵害する権利:働きやすい職場環境の中で働く利益 ※福岡セクハラ事件(福岡地判H4.4.16) 事例:上司という立場を利用して関…

【ハラスメント】事業主にはハラスメント防止措置義務があります。根拠法は?

事業主には各種ハラスメントの防止措置義務があります。 ハラスメント防止法なる法令があるのではなく、労働者の属性やハラスメントの種類により、従来からある法令の一部改正によりそれに関する条項が加えられたり修正されたりしています。 下記の法令及び…

【ハラスメント】違法とされる根拠法は?

近年、職場でのいじめ・嫌がらせ=ハラスメントが問題になっています。 ハラスメントの種類は、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント等、その原因となる事由でいくつかの形態があります。 また、ハラスメントと受けた側の…

【労働契約】働きますという約束を守らなかったらどうなる?

労働契約の法源は4つと以前の記事でお伝えしました。↓↓↓ marukumaru.hatenablog.com 今回はこの4つの法源のうち、労働契約についてのお話です。 労働契約は、 労働者の労働する義務 ⇔ 使用者の賃金支払義務 (+誠実義務) (+配慮義務) の債権債務関係が…

【改正安衛法】労働時間の管理の具体的な方法

平成30年(2019年)4月に働き方改革関連法案の施行に伴い、労働安全衛生法が改正されました。 この改正により大きく変わったポイントがいくつかあるのですが、今回は労働時間の管理方法についてお話します。 事業主は客観的な方法により労働者の労働時間の状…

【個別労働紛争解決制度】令和2年の施行状況

令和3年6月に厚労省から令和2年度についての、個別労働紛争解決制度の施行状況が発表されました。 主な相談内容別の件数推移 相談窓口への総合相談件数は13年連続で100万件超えです。 100万件は1年で生まれてくる赤ちゃんの人数よりも多いですね。 労働基準…

【就業規則】判例法理と労働契約法7条

労働契約の法源たる就業規則についてお話しています。 労働契約の法源4つについてはこちらの過去記事をどうぞ↓↓↓ marukumaru.hatenablog.com 就業規則は法源としての性質について、長い間議論となっていました。 昭和43年、秋北バス事件の判例により、合理的…

【労基法】それは強行法規、刑事罰もありうる

労働契約の法源は4つあると以前の記事でお伝えしました。 marukumaru.hatenablog.com このうち①強行法規は最も拘束力が強いです。 実効性(法令の内容が実現されるために)が確保できるような措置まで条文上明記もあります。 実効性確保のためには以下の3種…

【就業規則】作成変更が厳しい理由は約款的役割があるから

就業規則は労働契約の法源(労働契約の一部となる)ことを先の記事でお伝えしました。 労働契約の法源4つについてはこちら↓↓↓ marukumaru.hatenablog.com 日本の労働法の大きな特徴の一つとして、就業規則が労働関係上、極めて大きな役割を果たしていること…

【判例】【就業規則】就業規則の法的性質

先の記事で就業規則は労働契約の法源の一つですよとお伝えしました。 marukumaru.hatenablog.com しかし、労働基準法や労働契約法に労働者を拘束します!とは書いていません。(労働基準法93条/労働契約法12条で最低基準効は定めています) なので、就業規則…

定義、大事です

定義と法律と判例 人や環境によって言葉の意味あいがコロコロ変わったら困りますよね。 法律では、差している用語の対象内容を定めいます。 これを定義といいます。 例えば、労働基準法では労働者はこのように定められています。 労働基準法 第九条 この法律…

労働法

過去記事で労働法は ①労働者と使用者の間の ②働くことをめぐる ③関係を 定めているとお伝えしました。 marukumaru.hatenablog.com この記事ではその中の③関係を4つに分けて、労働法の諸法令をご紹介します。 労働の場には雇い主⇔雇わる人の1対1関係以外に全…

労働契約の法源は民法よりちょい複雑

民法の契約の法源は、 ①強行法規(秩序守るために自由な契約はさせないぞ!) ②契約そのもの ③事実たる慣習や任意法規、信義則 です。 では労働契約の法源は? ①強行法規 と ②契約にの間におなじみのアレが入ります。 労働協約と就業規則です。 労働協約は聞…

契約(民法)を無効にするもの

労働契約は当事者間で自由に結べるとお話しましたが、 どんな契約でもOKとすると社会の秩序が乱れますよね。 労働契約を見る前に、民法上の契約とはどのようなものか見ていきましょう。 労働契約は民法上の契約の概念に内包されるからです。 民法の契約は人…

そもそも労働法とは?法原理②

先の記事で1つ目の労働法の重要な法原理(社会権)をお伝えしました。 2つめの重要な法原理は自由権です。 自由権とはその名の通り国家からの個人の自由が保障されている状態を言います。 労働契約は国からどこそこの企業と契約して働きなさいなどと強制さ…

そもそも労働法とは?→いくつもある労働に関する法律の総称だよ

「労働法」とは?① 社会保険労務士、通称社労士試験に合格したmarukumaruです。 2019年に社労士の受験勉強を始めたときに疑問に思ったことは、 「そもそも労働法って何?」でした。 労働法は、 ①労働者と使用者の間の ②働くことをめぐる ③関係を 取り扱う諸…