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【労働契約】働きますという約束を守らなかったらどうなる?

労働契約の法源は4つと以前の記事でお伝えしました。↓↓↓

 

marukumaru.hatenablog.com

 

今回はこの4つの法源のうち、労働契約についてのお話です。

労働契約は、

 労働者の労働する義務 ⇔ 使用者の賃金支払義務

 (+誠実義務)       (+配慮義務)

の債権債務関係が成立していると考えます。

さらに付随的な義務として、労働契約法3条により、労働者には誠実に働くこと、使用者には適切な配慮が求められています。

 

労働契約法 第三条 

労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
2 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
4 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

 

■ 労働者の労働義務

労働者の労働義務は、使用者の指揮命令を受けているから生じます。

この指揮命令の根拠は、労働契約の法源たる、労働協約就業規則・労働契約(雇用契約)によります。

根拠がないと判断される場合は、労働者は当然に労働の義務は負いません。

根拠はあるが指揮命令の濫用を疑う場面では、権利の濫用又は民法90条公序違反として私法上争いの余地が生まれます。

 

■ 労働者の債務(働くこと)が履行されなかったら?

労働義務の履行について、民法493条では、債権債務関係の本旨に従った履行をしなくてはならないと定められています。

 

これは職務専念義務又は誠実労働義務と言われており、仕事中は仕事をしましょうということです。これら義務が履行されているか否かの判断は、判例上具体的明確な基準は特になく、個別の労働契約の内容解釈により決定されてきています。

 

労働者がこの職務遂行上の義務が守らなかった場合や不法行為を行った場合、民法415上により債務不履による損害賠償責任を負うことがあります。

ただ、民法の規定をそのまま適用しません。

使用者の指揮の下に行い、使用者もその危険性を知っており、その労働の利益を享受していることに鑑み、一定の修正をします。