労働契約の法源は民法よりちょい複雑
①強行法規(秩序守るために自由な契約はさせないぞ!)
②契約そのもの
③事実たる慣習や任意法規、信義則
です。
では労働契約の法源は?
①強行法規 と ②契約にの間におなじみのアレが入ります。
労働協約は聞きなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。
労働組合と使用者が話し合って決めた取り決めのことです。
毎年2月ごろにニュースになる春闘は、労働組合が労働条件について要求し、使用者(会社)と交渉することですね。
組合には労働組合法により労働者保護の強い権利が与えられています。
その権利の一つが労働協約なのです。
強行法規に反してはいけないけれど、労働協約に反している契約を無効にして補います。強行法規には負けるけれど、労働協約より労働者に不利な契約は無効にして有利な協約の内容に修正される強力な法源です。
最後に就業規則ですが、会社に勤めたことのある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
就業規則に定められている条件を下回る契約は無効として補う効力があります。
労働契約の最低基準は就業規則(就業規則の最低基準効)だ、というわけですね。
ただ、強行法規にも労働協約にも反してはなりません。
ということで、労働契約の法源は、
①強行法規(秩序守るために自由な契約はさせないぞ!)
②労働契約
③就業規則
③労働契約そのものや事実たる慣習や任意法規、信義則
の順番で優先順位がつきます。
つまり、雇い主と働き手の間の債権債務関係はこれら4つの法源のうちのどれかもしくは複数を根拠として生まれることとなります。