労務未経験社労士が行く!

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雇用関係が終わるとき② 解雇の手続き規制

雇用関係が終わる事由は4つに大別されますが、最も雇用主にかかる規制が多いのが解雇です。

解雇とは使用者が一方的に契約の解約を行うことを言います。

手続きと解雇理由の2種類の規制があります。

 

この頁では手続き規制について述べていきます。

 

■使用者が解雇をする場合は、少なくとも30日前に労働者に予告をするか、30日分以上の予告手当を支払う必要があります。

民法による雇用契約の予告期間は2週間ですが、労基法による労働者の経済的打撃を和らげるために30日間に延長しています。

労働基準法

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

労働者がとても悪い奴だった場合など、例外なく100%予告期間又は予告期間を守れというのも使用者に酷なので、例外が設けられています。

20条の但書で、行政官庁の除外認定を受けルのが必要ですが、①天災事変ややむを得ない事由により事業継続が不能 ②労働者の責に帰すべき事由 の2点に基づき解雇する場合は、即時解雇が可能としています。

 

このように解雇について、解雇予告又は解雇手当が必要ですが、即時解雇をしてしまった場合、解雇の効力はどうなるのでしょうか。

まずは、例外規定に当てはまるかどうかを見ていきます。解釈については、昭和63年3月14日基発150号の労働省通達に記載があります。

●事業継続が不能

 天災事変の程度もですが、経営者の努力によってもどうしても事業継続が不能であることが必要です。例えば震災大規模火災により建物等が滅失した場合などは仕事を続けることができませんから認められるとされます。しかし、税金の滞納や事業経営がうまくいかなくなってという経営者に帰責性があるとき努力の余地があるときは認められません。

●労働者の責に帰すべき理由

 行政解釈によると、非違行為が重大・悪質で、即時解雇やむを得ない場合としています。10分の遅刻を1,2回したからといって帰責事由は認められないと言うことです。

 

上記2つに当てはまらないときは、即時解雇の有効性を問うことになります。

判例は、使用者が即時解雇に固執しない限り、解雇通知後30日経過時点又は予告手当を支払った時点で解雇の効果が発生するとしています。

 

■解雇時期の制限も設けられています。

業務起因性の傷病について、療養している労働者に、休職危難満了のための解雇通知は無効とされます。ただし、事業主が業務上傷病について療養開始後3年経過しても治らないため規定の打切補償を支払った場合、天災事変ややむを得ない事由で事業継続が不可能担った場合は、この解雇制限は適用されません。