契約(民法)を無効にするもの
労働契約は当事者間で自由に結べるとお話しましたが、
どんな契約でもOKとすると社会の秩序が乱れますよね。
労働契約を見る前に、民法上の契約とはどのようなものか見ていきましょう。
労働契約は民法上の契約の概念に内包されるからです。
民法の契約は人と人の間の関係を規律する根拠となっています。
ちなみに当事者の意思は明示でも黙示でもよく、合致すると契約が成立します。
民法では先に話したとおり、90条公序良俗に違反する契約は禁止されています。
これを「強行法規」(きょうこうほうき)と言います。
強行法規は自由に結ばれた契約を無効にする効果があります。
いくら自由といっても会社と従業員が同意さえすれば何をしても許されるわけではないのですね。
他にも民法の契約の法源には、任意法規(当事者の意思により変更OK)、事実たる慣習、民法第1条第2項の信義則(しんぎそく)があります。
このうち、契約よりも強いものは強行法規だけで、上記については場合によって契約内容が修正されるとのイメージでよいです。
労働契約はもう少し複雑になります。
使用者という立場の強い物から労働者を守る性格が出てくるのですね。