そもそも雇用契約とは?
そもそも雇用契約とはどういった契約でしょうか。
世の中の契約は(日本国内の場合)、まず民法上の契約となります。
ただし、当事者間で大きな優劣の差がある等特別な事情があるときはより成立要件等が厳しい特別法の規定に従います。
諾成契約、双務契約です。
諾成契約:物を要しないで、当事者間の合意の意思により成立する
双務契約:お互いが債権債務を持つ。使用者は労働者に働いてもらう権利を持つが、同時に労務提供の対価を提供する義務が発生する。
請負契約や有償委任契約(誰かに託す)と対比した場合に、労働契約は以下2点の特徴があります。
①労働の成果ではなく、労働それ自体が契約の内容である
請負や有償委任は成果で判断される
②労務提供側は労働内容を自立独立裁量的に決定するものではない
請負や有償委任は自己の裁量の幅が広く、使用者に指揮される制限を受けない
通常の民法契約の成立要件を満たしていることと、雇用契約の内容が上記2点を満たしていることで雇用契約は有効に成立すると考えます。
このプラスの要件の一般論について、今のところ判例では明確に示したものはありません。個々の事例に即して判例が積み重なっているのみなので、個別具体的に考える必要があります。