【給与計算】扶養の3つの意味
給与計算上、「扶養」には3つの意味があります。
1つめは所得税法上の扶養、
2つめは社会保険上の扶養、
3つめは会社独自の規定の扶養 です。
気をつけなければいけないのは、この3つの要件が少しずつ異なる点です。
①所得税法上の扶養の対象のなる人
・生計を一にしている親族、内縁は不可
・その年の12月31日の時点で16歳以上
・1月1日~12月31日の年間合計所得金額が48万円以下(配偶者は95万円以下)
・所得の計算は所得税法による
②健康保険法の被扶養者となりうる人
・主として被保険者の収入により生活している
・3親等以内の親族、内縁も可能
・年間収入(今後)が130万円未満(60歳以上又は障害者は180万円未満)
・収入には障害年金遺族年金失業手当など所得税非課税収入も含める
③会社独自の家族手当や住宅手当での扶養となり得る人
・会社の就業規則により個別に判断する
では具体的に上記3種類の被扶養者がいるとどのような効果があるのでしょうか。
①所得税
年間の所得金額の計算の際に扶養控除が受けられるので、税額が低くなります。
控除の金額については所得者の所得額、被扶養者の収入と年齢により異なります。
②健康保険法
被扶養者の健康保険料及び年金の納付をする必要がありません。
例えば、給与年収150万円の場合、自分で社会保険に加入し30万円の納付の必要が生まれますが、扶養内であればしません。(ざっくり国民健康保険料10万円、国民年金20万円)
健康保険証は扶養者の保険団体(協会けんぽ等)より発行されます。
③会社独自
一般的に月給に加えて、月1万円等の一定額の手当が支給されます。