労務未経験社労士が行く!

従業員数5名~20名程の企業様(個人事業主を含む)の労務経理支援をしています。押印とか電子申請とか、手続のピンポイントのここがわからない!!悩む!!を解決していきましょう!

【給与計算】割増賃金の基礎となる賃金

残業代と割増の賃金はどのように計算されるのでしょうか。

これは法令で定めがあり、それに則り計算されています。

割増賃金を計算するときの基礎の時給換算額

=所定労働時間の労働に対して支払われる、1時間当たりの賃金額

=【月給制の場合】月給(各種手当含む)÷1か月の所定労働時間(月により変動がある場合は1年平均※の1ヶ月の時間数)

 ※1年は開始日及び終了日は法律上定めなし。就業規則等で定めることができる。

  定めがなければ暦の1年(1月1日から12月31日)で良いと考えます。

 

注意する点は…

①月給には基本給だけでなく各種手当ても含める ※ただし、含めなくていい手当等もある

②1か月の所定労働時間(法定労働時間ではない)で割る

 

労働基準法 第三十七条

⑤ 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

労働基準法施行規則 第二十一条

法第三十七条第五項の規定によつて、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、同条第一項及び第四項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。
一 別居手当
二 子女教育手当
三 住宅手当
四 臨時に支払われた賃金
五 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

この注意点の内容はとても大事で、各種手当てを時給換算額として含んでいないと未払賃金問題に発展する可能性があります。

細かく見ていきましょう。

 

①賃金には基本給だけでなく各種手当ても含める ※ただし、含めなくていい手当等もある

 

計算する賃金に含めるのは原則は全ての賃金・手当です。

ただし、下記のついては労働と直接の関係が薄く個人的事情に基づいて支給されることなどにより、除外することができます。これらは例外であり、これらに該当しない場合は全て賃金に算入しなければなりません。

 1 家族手当

   家族等の扶養人数に応じる 

   ※扶養家族の有無人数に関係なく一律支給は除外できない!

 2 通勤手当

   通勤に要した費用に応じる

   ※費用や通勤距離にかかわらず一律支給は除外できない!

 3 別居手当

 4 子女教育手当

 5 住宅手当

   住宅に要する費用に定率を乗じる

   ※住宅の形態ごとに一律支給は除外できない!

 6 臨時に支払われた賃金

   慶弔等恩恵的なもの。賞与のことではない。   

 7 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

   賞与等

 

これらは手当の具体的内容まで精査する必要があります。

例え、「家族手当」という名称であっても家族がいるから15,000円支給は家族手当に当てはまりません。